日々感じたことをつづる   のほほんブログです。


by asadoricite
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

ゆさぶられる「ゆれる」

b0096080_22233236.jpg




信じること、信じられること。
裏切ること、裏切られること。
奪うこと、奪われること。
許すこと、許されること。
弟であること、兄であること。

<「ゆれる」パンフレットより引用>

映画「ゆれる」を観てきた。
びっくりした。こんなに自分が揺さぶられる映画とは思っていなかったのだ。
映画が終わってからも涙が次から次へとあふれて止まらなかった。
「私、なんでこんなに泣いているんだろう」
自分でもよくわからなかった。
カンヌ映画祭の評判からか、上映館の少なさからか
平日の昼間だと言うのに映画館は立ち見が出るほどの満員で(特に熟年層が多かった)
入替性なので余韻を味わう暇もなく押し出された。
ぼーっとしながらロビーのチラシを見るふりをして立ちすくみ
涙が止まるのを待った。
パンフレットと原作本を買って外に出る。
ぼーっとしながら映画のことが頭をめぐる。

真面目で温和な兄は田舎で実家のガソリンスタンドを継いでいる。

器用で華のある弟は東京で人気のカメラマン生活。

渓谷で起こった事件をきっかけに二人の内面がさらけだされていく物語。

オダギリジョーも香川照之もその立ち姿だけで
この兄弟の性格や暮らしっぷりがにじみ出てきている。
脚本も俳優も音楽もこの映画のために生まれてきたよう。
奇跡みたいな映画。

私には兄が抱く閉塞感や弟への嫉妬も
弟が抱く兄への優越感も自分の中にある感情に思えた。
そういう感情をお互い抱えながらも
それを越えてつながっていたい存在。
ラストシーンの二人の演技は圧巻だった。

監督西川美和は
「人間ってなに?」「人間の感情ってなに?」「人と人とのつながりってなに?」
ってことを常に考えている人なんじゃないかと感じた。

また、原作本は登場人物のモノローグ形式になっていて
映画では観客の想像に任されていた細かい感情なんかも描かれている。
ただの映画の原作本じゃない。
[PR]
by asadoricite | 2006-07-27 22:22 | 心にのこる