日々感じたことをつづる   のほほんブログです。


by asadoricite
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カテゴリ:読書日記( 17 )

スイートリトルライズ

スイートリトルライズ
江國 香織 / 幻冬舎
ISBN : 4344408209
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「なぜ嘘をつけないか知ってる?人は守りたいものに嘘をつくの。」

江國 香織の本を読んだことがなかった。
もちろん名前は知っていたし、顔も知っていた。
何故だかむしろ避けてきたみたいに読まなかった。
「冷静と情熱の間」も辻 仁成のbluは読んだが江國 香織のRossoは読まなかったし。
だけど今回読んでみて満を持してめぐりあった感じ。
テディベア作家の瑠璃子とパソコン好きの聡の夫婦の物語。
二人はお互い甘く小さな嘘をつく。
印象に残る場面がある。
瑠璃子が聡に「腕に入れて」というシーンだ。聡は瑠璃子を腕で囲むようにし、瑠璃子はその中で目を閉じる。しばらくすると「ありがとう」と言い腕から出る。
聡も時々「今日は帰ったら瑠璃子を腕に入れてやろう」と思う。
風変わりな夫婦?いやむしろリアルだと思う。
物語の結末はハッピーエンドでも悲しい別れでもない。
一周して元のところに戻ったような、もう元のところには戻れないような・・・
その曖昧さが余韻を長引かせる。
これが江國ワールドなのだろうか?彼女のほかの作品も読んでみたくなった。
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by asadoricite | 2006-09-01 11:25 | 読書日記
台風の接近でだいぶ涼しくなった。
よかった。これで布団を持って涼しい部屋に移動しなくても
自分の部屋で眠れる。
だけどまだ夏バテをひきずるあさどり。
ブログの更新が滞っている。

風に舞いあがるビニールシート
森 絵都 / 文藝春秋
ISBN : 4163249206
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今年の直木賞受賞作品を読んだ。
とてもよかった。
6つの短編集になっている。
なんというか、物語は特に変わったことは起こらない。
6人の主人公はそれぞれ年齢や性別、職業も様々。
わりと目立つことなく生きている隣に住んでいそうな人たち。
なのにその世界にぐんぐんと引き寄せられる。
描写がとても細かくて、そのことに感心させられる。
そして思わぬ着地点に物語がたどり着くと
なんてことないその主人公たちの実は熱い心に気づかせられるのだ。
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by asadoricite | 2006-08-09 23:25 | 読書日記
ハチミツとクローバー 9 (9)
羽海野 チカ / 集英社
ISBN : 4088653521
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いつものぞかせてもらっているブログにハチクロの話題がのっていて
9巻が出ているようなので買って読んでみた。
登場人物が全員片思いと言うこのマンガ。
うわ~なんか、すごくなってる。
マンガの神様か何か降りてきてるみたい。

私ははじめの方はふ~んって感じで読んでいて
7巻くらいから「ん?」「う~(T_T)(泣)」
と心を急激に揺さぶられ始めた。
そして9巻。登場人物たちが一人ひとり物語をつむぎ始めた感じがする。
すごいなぁ~。これだけ話題になるものにはやっぱり何かあるんだな。

ちなみに9巻を買ったら本屋さんでハチクロクリアファイルをくれて
なんだかすごく嬉しかった。
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by asadoricite | 2006-07-26 23:48 | 読書日記
職場の隣の席の子に
”リリーフランキーの『東京タワー』貸して~”
と言ってから早3ヶ月以上経過している。
その間に3回くらいせっついてみると
その度に完璧に忘れているようであった。
あまりに完璧に忘れているのでむしろ微笑ましいくらいである。
まぁ、いつか来るかもしれないので『東京タワー』は買うつもりがない。

美女と野球
リリー・フランキー / 河出書房新社
ISBN : 4309407625
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そこで今日は本屋さんで平積みになっていたこの本を買ってみた。
前書きを読んでみて、もう結構リリーフランキーが好きになっていた。
いや~想像以上にふざけた人ですよ、あなたは。
なかなかのふざけっぷりです。
あさどり推薦ふざけ部門で上位に入賞する。

 *ちなみにあさどり推薦ふざけ部門で常にトップにいるのは”みうらじゅん”である。
 彼の場合は非常にまじめにふざけたことを追求している(しかもとことん)所が
 あっぱれなのである。

このふざけた本を書くリリーフランキーが
『東京タワー』のように1億人(?)を泣かせる名作を(まだ読んでいないけれど)書くっていう所がまた素敵である。
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by asadoricite | 2006-07-09 21:11 | 読書日記

私たちは待っている!

角田光代の新刊『ドラママチ』を読んだ。

ドラママチ
角田 光代 / 文藝春秋
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この本は中央線沿線の「マチ」を舞台に何かを「待つ」8人の女性の話である。
8つの話にはそれぞれに「ヤルキマチ」「ワタシマチ」「ワカレマチ」と言ったタイトルがつけられている。
ごく普通のどこにでもいそうな女性たち。
でも日常のささいなほつれを抱えている。
恋愛が何故だかうまくいかなかったり、少し妄想的だったり、やる気がなかったり。
そして変化を待っている。
「待つ」という行為は、受身的な感じがするけれど
あまり器用でなくかっこ良くもないこのヒロインたち全員に
どこか共感するところがある。
やっぱり女は誰もが待っているんじゃないかなぁ・・・
ドラマやワタシを。
お話の中に、いくつもクラシックな喫茶店が登場するところも素敵である。
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by asadoricite | 2006-07-05 21:00 | 読書日記

読書日記

渋谷
藤原 新也 / 東京書籍
ISBN : 4487801265




藤原新也が好きである。尊敬している。
でもその理由を言葉にしようとすると
陳腐で嘘っぽくなってしまう。
自分でもうまく説明できない。

だけどその理由は
新しく出た 『渋谷』 にすべて詰まっている気がした。
この本は藤原新也が
現代の”少女”について書いた本である。

不登校、援助交際、センター街の女子高生。

眉をひそめられる存在である彼女たちのことを
私はあまり考えたことがない。
この本の中で藤原新也は
彼女たちと話し、彼女たちを撮影し
彼女たちですら気づいていなかった彼女たち自身の姿を浮かび上がらせる。

藤原新也の撮影後
不登校の少女が学校に行くようになったという。
これはどういうことか。
私は藤原新也が”撮影”という行為に
どれくらいのものを込めているのかと考える。
私がデジカメのシャッターを押すのとは
全く違う。
藤原新也がシャッターを押す瞬間
おそらく藤原新也本人が自分をさらけだし
被写体の彼女たちを全力で受け止め
全肯定しているのだと思う。

・・・やっぱりうまく言葉にできない。
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by asadoricite | 2006-06-05 21:11 | 読書日記

愛がなんだ

またも最近読んだ本から。

愛がなんだ
角田 光代 / 角川書店
ISBN : 404372604X
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角田光代が好きである。
本人もキュートでかわいい女性だと思う。
はしご酒が好きなところや、一人旅に軽々と出て行くところ
時々辛らつなことをさらっと言ってしまうところもいい。

そんな彼女のこの作品。
OLのテルコはマモちゃんに片思い。
彼から電話があれば仕事中でも長話、食事に誘われればさっさと退社。
マモちゃん以外の出来事はどうでもよくて会社ではぼーっとしている。
マモちゃんはマモちゃんで、テルコのことが好きでもないのに
風邪になると電話をかけて何か買ってきてと頼み
頼んでおいて「帰ってくれないかな」と言う。
正直どうしようもない女と、どうしようもない男の話だ。
私だったらこんな人たちがそばにいてほしくないと思う。
会社の同僚もまっぴらだし、まして友達になんてなりたくない。
だけど読んでいるうちに、なんだかせつなくなってくる。

テルコはマモちゃんから誘われたらすぐに駆けつけられるように
仕事が終わるとマモちゃんの会社の近くをうろうろしている。
そして思う。
「ストーカーが私のような女を指すのなら、
世の中は慈愛に満ちているんじゃないの」 と。

マモちゃんがテルコに聞く。
「こんな男のどこがいいの?」と。
かっこよくもなくて、才能もなくて、やさしくもなくて金も持っていない。
テルコは答える。
「そうだよねぇ。私もそう思う。好きになるようなところ、ないじゃん」
そして思う。
”顔が好みだの性格が優しいだの、何かに秀でているだの
プラスの部分を好ましいと思い誰かを好きになったのならば、
嫌いになるのなど簡単だ。
プラスがひとつでもマイナスに転じればいいのだから。
そうじゃなくてマイナスであることそのものを、自分勝手で子供じみていて
かっこよくありたいと切望してそのようにふるまって、
神経こまやかなふりをして、でも鈍感で無神経さ丸出しである、
そういう全部を好きだと思ってしまったら、
嫌いになるということなんて、たぶん永遠にない” と。

読み返してみて、ちょっと泣きたい気持ちになる。
愛がなんだ。愛のバカヤロー。愛バンザイ。
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by asadoricite | 2006-05-28 12:18 | 読書日記